アマチュアモデラーこてつさんによるペーパークラフト記事の続編です。
前回の【準備編】に引き続き、今回は【工作編】です。
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ペーパークラフト【難易度:壊滅級】日産フェアレディZ nismo【準備編】
アマチュアモデラーのこてつです。 テレビのニュースで「国立天文台がアルマ望遠鏡のペーパークラフトのPDFデータを公開している」と言っていたので面白そうだから作ってみようと思っていたんです ...
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作るのは【FAIRLADY Z nismo 1/18scale】
パーツごとの難易度を【★】で5段階評価しています。
世界一詳しくレビューするので、海外からのアクセスも狙います。
ただし、日本語のみでの解説です、ごめんなさい。
目次
- 印刷はEPSPN PX-049A
- 用紙はダイソーのケント紙
- 切り抜きながらパーツ番号をふりなおす
- 山折り谷折り
- ここまでの作業に3日
- 組み立て
- シャシー【★★★☆☆】
- タイヤ【★★★★★】
- ボンネット&フロントガラス【★★★☆☆】
- サイドパネル&ホイールアーチ【★★★★☆】
- ボンネット&サイドパネル【★★★★☆】
- ドアノブ【★★★★★★★】
- ルーフ【★★★☆☆】
- フロントバンパー【★★★★★★】
- フロントスポイラー【★★★★★★★★★★】
- リアホイールアーチ【★★★★★】
- ミラー【★★★★★★★】
- ルーフ取り付け【★★★★★】
- リアバンパー(上)【★★★★☆】
- リアバンパー(下)【★★★★★★★★★★】
- マフラー&テールランプ【★★★☆☆】
- ヘッドライト【★★★★★★★★★★】
- シャシー&タイヤ【★☆☆☆☆】
- ボディ&シャシー&ワイパー【★★★★★】
- 完成
- このキットの良いところ
- このキットの改善点
- まとめ
印刷はEPSPN PX-049A
人気だけど評判が悪いこちらのプリンター、Wi-Fi搭載のくせに使えたり使えなかったりします。
Wi-Fiは諦めて、USBでの有線接続しかしていません。
インクは格安の互換品を使用してますが、今回の印刷でも問題なく使用できています。
基本的に電源は常に入れっぱなしにして、電源立ち上がり時のヘッドクリーニングを防いでいます。
ヘッドクリーニングが始まると、とんでもない量のインクを無意味に消費することになるので。
用紙はダイソーのケント紙
普通紙だと薄すぎて強度もないし、糊付けの時に紙がふやけるので使ってはダメです。
ダイソーで8枚入りのケント紙が売っているので、これを使います。
厚みがある紙ですが家庭用のプリンターに対応しているので、インク滲みもありません。
印刷の仕上がり設定を高品質に変更し、デフォルトでは93%の縮小印刷になっていたので100%に変更。
切り抜きながらパーツ番号をふりなおす
切り抜きミスが許されないんですが、とにかくパーツが多くて嫌になります。
直線の所は定規をあてて30度の薄刃のカッターで切り抜きます。
曲線のところはフリーハンドで。
同じところを何度も刃を通すと、絶対にズレて切り口が汚くなるので人差し指で刃を押し付けて一発で切り抜いていきます。
切れ味が悪くなったら躊躇せずに刃を折ります。
折った直後が一番切れ味が良いので。
デザインナイフの刃は厚いので、細かい切り抜きには不向きですね。
切れ味もすぐに悪くなるから、紙がよれます。
刃の交換も面倒くさいし。
30度の薄刃カッター、マジでオススメです。
小さいパーツはゴミと見紛うほど。
裏にパーツ番号をふるのも辛い小ささ。
山折り谷折り
パーツの折り線に沿ってカッターを軽く当てて、スジをつけていきます。
折り目がシャープで綺麗になります。
この作業はカッターがオススメ。
モデラや使用済みのボールペンでは先端が太すぎてダメ。
鉄筆は紙が傷つくのでダメです。
山折りは紙の表面、谷折りは紙の裏面にスジをつけます。
裏面は線がないので、光で紙を透かしてスジをつけました。
大変な作業ですが仕上がりが劇的に変わります。
ここまでの作業に3日
パーツが小さいから集中力がいるし、曲線も多いし、タイヤとか同じパターンは飽きるし、人差し指は痛いし、首筋は凝るし。
切り出しに3日かかってるんです。信じられないでしょ。
組み立て
シャシー【★★★☆☆】
最後にボディをかぶせたら中身は隠れて見えなくなりますが、ぬかりはありません。
4本の筋交の位置が明確に指定されていないので、
2本はタイヤの中心に、あとは均等に配置されるように線を引き接着ました。
接着にはダイソーの木工用ボンドを使っています。
つまようじで薄く塗りつけて、乾燥を早めています。
タイヤ【★★★★★】
ディティールすごいでしょ。
糊しろのギザギザが細かくいっぱいあるので、完全に円になります。
タイヤ部分で1パーツ、ホイール部分で10パーツです。
細部は「自作ピンセット」を使って接着作業しています。
やさしく、確実に掴めるようにカスタムされています。
コンタクトレンズを外すピンセットもおすすめ。
タイヤの内径とホイールの外径の合わせ精度も完璧です。
寸分の狂いもなく、スッと入ります。
ボンネット&フロントガラス【★★★☆☆】
ボンネット前側のアールを持たせるための裏側の接着は、マスキングテープを使いました。
簡単で正確です。
ロングノーズがウリの「Z」なんで、接着でミスしないようにします。
ボンネットとフロントガラスの接着は、糊しろのギザギザが多いので
綺麗なアールがでています。
サイドパネル&ホイールアーチ【★★★★☆】
指示書に曲げ指定があるので、適当な瓶やスプレーの筒を使って紙を曲げます。
これをやると曲線の接着がしやすくなります。
先端合わせで接着します。
ボンネット&サイドパネル【★★★★☆】
一気に貼り付けず、少しずつ。寸法の狂いは無いので、フロントの先端合わせで貼っていけばうまくいきます。
ドアノブ【★★★★★★★】
ドアノブは指定通りに作ったらハマらなかったので、ノブ部分を0.5mmほど切り落としました。
先に作った右側で失敗〜修正し、左側は綺麗にはめこみました。
ルーフ【★★★☆☆】
前合わせで貼っていけば問題ありません。
フロントバンパー【★★★★★★】
下準備でフロントスポイラーを組んでいますが、
この赤い部分、本当に着くのかと心配になる程アールがきついです。
なんども仮組みして接着したので、両側とも上手くいきましたが難易度は高いです。
フロントバンパーはあらかじめ紙に癖をつけて
接着箇所確認中。
センター合わせで少しずつ接着していきます。
ボンドの乾燥が早いので、一度に貼れるのはギザギザ五個くらいです。
フロントスポイラー【★★★★★★★★★★】
バンパーとスポイラーの接着が完了。
なんと赤いスポイラーの接着だけで1時間以上かかってます。
ほとんど仮組みの時間です。
どうやってもうまくいきません。
全体を通してフロント周りが一番の難所。
指示書通りに組んでも絶対にうまくいきません。
本来糊しろになる2箇所を切断しました。
ここが壊獄級の難しさ【★★★★★★★★★★】です。
リアホイールアーチ【★★★★★】
壊滅級のフロントを終えた後なので、もはや楽勝です。
ミラー【★★★★★★★】
ミラーは小さくて難しいです。
先に作った左側で失敗〜修正
後から作った右側は綺麗です。
ちゃんとアールの癖をつけないと、ギザギザがはみでます。
紙が折れないように気をつけながら、綿棒の棒の部分で曲げました。
ちゃんと曲げておくと、ギザギザが一切はみ出ることなく接着することができます。
ここの精度の高さには驚きました。
ルーフ取り付け【★★★★★】
センターから5ギザギザずつ貼っていきます。
ゆっくり確実につけていけば難しくないです。
リアバンパー(上)【★★★★☆】
ここは難しくないです。
スポイラーも比較的簡単。
取り付けは差し込むだけで裏接着。
難しいのはこの後。
リアバンパー(下)【★★★★★★★★★★】
リアバンパー上下の接着が壊滅級です。
指示書通りに作っていますが、マフラーに挟まれた真ん中の赤いランプが別のパーツになっています。
そのため紙の厚み分高くなってしまい、バンパーと接着できません。
2箇所、0.5mm切り落としました。
これでツラが合うので接着できます。
マフラー&テールランプ【★★★☆☆】
極太のマフラー2本は、手持ちの筆の柄の太さが同じだったので、巻きつけて接着しました。
紙が折れないように気をつけます。
リアのランプは曲げて貼るだけ。
ヘッドライト【★★★★★★★★★★】
またまた壊滅級なのがこのヘッドライト。
3パーツで構成されるヘッドライトユニット、細かいギザギザがいっぱいで、アールがものすごくキツイ。
ヤバイです。
何度も仮組みして、完全に接着するまで押さえておく指の角度までシミュレーションしました。
左右対象に取り付けられたのは奇跡です。
シャシー&タイヤ【★☆☆☆☆】
ホイールの「NISSAN」文字が正位置に来るように着けます。
ボディ&シャシー&ワイパー【★★★★★】
ボディをシャシーに対して正位置に接着しましたが、紙なので多少の歪みがあるようです。
左前輪だけ1mmハミタイです。直りません。
ワイパーは1本4パーツ構成で、かなり凝ってます。
いい位置に来るように仮組みを繰り返し、接着。
ピンセットを使って微調整を繰り返しています。
完成
フロントに「FAIRLADY Z nismo」のプレート、ボディ両サイドに「Z」のエンブレムを貼り付けて完成です。
【作業日数】
・切り抜き:3日
・組み立て:3日
それでは晴れた日に屋外で撮った写真をご覧ください。
全長:約24.5cm
高さ:約8cm
幅 :約11cm
このキットの良いところ
・細部のディティールが凝ってる
→この精密さは作っていてワクワクする。
・センターが合わせやすい。
→センターに点が打ってあるので、パーツとパーツの点を合わせれば基本的にはOK。
・曲面が綺麗
→面の集合体でアールを作るのではなく、紙をしならせることでアールを作っているのが
他のペーパークラフトとは違う。
・無料
→これが無料で公開されているデータですよ。
難易度は絶地獄級ですが、すごいです。
数万円してもおかしくないと思う。
このキットの改善点
・ドアノブ
→紙の厚みを考えていないので、普通に作ったのでははまらない。
・ヘッドライト
→接着面のアールがキツすぎる。普通なら諦めるレベルで接着困難。
・フロントスポイラー
→これ無理だろって思った。接着面も窮屈だし、大体合わない。
まとめ
新車価格約650万円のクルマが、ケント紙代のみの税抜き100円で制作することができました。
Z34のロングノーズに流線型のボディラインが見事に表現されています。
ワイド&ローが強調されたフントバンパーも威圧感がすごいです。
正直言って、海外の人が作るペーパークラフトにも引けを取らないと思います。
マクラーレンP1やランボルギーニアヴェンタドールなんかもパーツの数は多いけど、それ以前にサイズが大きいですからね。
難易度はこちらの方が上です。
しかしながらこの【フェアレディZ nismo 1/18scale】難易度が壊滅級でした。
あまりの高難易度のため、万人にお勧めできるものではありませんが
工作に自信がある人ならチャレンジしてみてください。
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